フェンダーギターの特徴
ではラインナップを紹介する前にですね、「フェンダーギター全体の特徴」をお話ししたいと思います!
もちろんシリーズによって音やコンセプトの違いがあり、それを今回解説していくんですが(笑)、「フェンダーギター全体」の特徴というのも僕は感じますので、参考にしていただけると嬉しいです!
伝統的なサウンドを守り続けている
それを一言でいうならば「伝統的なサウンドを守り続けている」ということです。
フェンダーギターには多くのシリーズがあり、モダンなセッティングがされているギターもありますが、基本的にはこれまでの伝統的なフェンダーギターのエッセンスを残しています。
では「フェンダーっぽい」とはなんだ??という話になりますが、これが結構難しいですね(笑)
僕が思うに下に出てくる2つが大きな要素かなと思います!
出力が小さめ
その1つ目が「出力が小さめ」であるということです。
これはピックアップ(弦の音を拾うマイク)のお話なんですが、フェンダーのピックアップって基本的に「出力が低めかなあ」という印象を受けますね。
色んな理由が考えられると思いますが、ギター本体の「鳴り」をより繊細に感じられるようなセッティングになっているからじゃないかなと僕は思います。
後からも出てきますが「ギターのニュアンス」を感じやすく、強弱の表現も繊細に出力できるので、言ってしまえば「プレイヤーの腕が試されるギター」と言ってもいいかもしれませんね。
クリーンニュアンスにこだわっている
2つ目は「クリーンのニュアンスにこだわっている」という点です。
フェンダーギターの公式の試奏動画を見ていただくと分かるのですが、そのほとんどが「クリーン~クランチ」辺りでサウンドチェックされています。深い歪みでの試奏はほぼ見たことがないです。
もちろんディストーションなどの深い歪みに対応していないわけではありませんが、クリーン、クランチサウンドに焦点が当てられセッティングされているのは確かですね。
正直、ハードロック/メタル系のギタリストには肌が合わないギターかもしれないです。
ギターのニュアンスを楽しみたい人向けのギター
まとめると、「ギターのニュアンスを楽しみたいギタリスト」向けのギターかなと思います!
下の動画を見て、「こんなギターが弾きたい!!」という人はフェンダーギターと相性バッチリだと思います!!
フェンダーギターのラインナップ
ではでは!!ここから本題です!!
今回は日本で販売されている「フェンダーUSA」「フェンダーメキシコ」「フェンダージャパン」の3つに分けて紹介していきます!
簡単に表で表すと
ヴィンテージ | 中間(使いやすい) | モダン | |
USA | American Original | American Performer American Professional | American Elite |
メキシコ | Vintera | Player | Deluxe |
ジャパン | Traditional | Hybrid | Modern |
こんな感じですね!
ではラインナップをひとつずつ見ていきましょう!!
フェンダーUSA【Americanシリーズ】のラインナップ
ではまずは「フェンダーUSA」からです!!
フェンダーのラインナップには「American」と付くシリーズが4つあり、これがフェンダーのシリーズの中でグレードの最も高いシリーズになっています。いわゆる「フェンダーUSA」と呼ばれるシリーズですね!
【ヴィンテージの正統後継機種】「American Original 」シリーズ
2012年に幕を閉じた「American Vintage」シリーズの穴を埋めるように登場した「American Original」シリーズ。
「American Vintage」シリーズは特定の「年」に焦点を当てて作られたシリーズでしたが、「American Original」シリーズでは特定の「年代」のサウンドの特徴を集約させたシリーズとなっています。
そのラインナップはギターは【50’s】【60’s】の2つ。ベースは【60’s】【70’s】の2つになります。
「American Vintage」シリーズから改良されている点もいくつかあり
といった感じで、現代のギタリストに馴染むようにセッティングされています!
サウンドは、指板が「スラブ貼り」から「ラウンド貼り」に変わったことから、「American Vintage」に比べてシャープでスッキリしたサウンドになっている印象です。
フェンダー伝統のサウンドを手に入れたい方必見です!!
【使いやすいヴィンテージサウンド】「American Professional 」シリーズ
2本目は「American Professional シリーズ」です!
通称「アメプロ」は、フェンダー伝統のサウンドを現代の幅広いジャンルの音楽でも使いやすいように調整されているようなイメージですね。
特にピックアップにそのこだわりが詰まっていて
1弦側 | 6弦側 | |
フロントPU | アルニコⅢ | アルニコⅡ |
センターPU | アルニコⅤ | アルニコⅡ |
リアPU | アルニコⅤ | アルニコⅤ |
といった感じで低音側と高音側でピックアップを変えるというこだわりぶりです!
他にも、ボリュームを下げてもトレブルを損なわれない「トレブル・ブリード・サーキット」や、より握りやすいよう改良された「Deep C」ネックなど、現代のプレイヤーがより使いやすいように進化を遂げたフェンダーギターといった感じです。
フェンダーギターのニュアンスをより使いやすくした次世代の定番機です!
【コスパの良い正統派】「American Performer」 シリーズ
3本目は「American Performer」シリーズです!
パフォーマーシリーズは「American」が付くシリーズの中で、最もリーズナブルなシリーズなんですが、その中でも「もっとも使いやすいシリーズ」と言っても良いかもしれません。
サウンドには癖がなくリア、センター、フロント共に「使える音だな!」という印象。あらゆるジャンルで活躍できそうなバランスの良いサウンドです。
またストラトキャスターではリアトーンノブがスイッチング可能で、ノブを引き上げることでどのポジションでもフロントサウンドをミックスすることができます。
- リア+スイッチオン→リア+フロント
- リア、センターのミックス+スイッチオン→リア+センター+フロント
こんな感じですね。
特にリア+フロントはテレキャスやジャズマスのミックスポジションのような「ドンシャリサウンド」を作るのに重宝すると思います!
サウンドに強いこだわりがなく、汎用性の高いギターが欲しい方におすすめです!
【モダンなハイスペックギター】「American Elite」 シリーズ
「American Elite」は今回紹介する中で一番高いシリーズになります!
その価格は約28万円とやっぱりお高いですよね(笑)
でもそれに見合う性能を持っているのがこのエリートの凄いところです。
サウンドはフェンダーには珍しいモダンなサウンド。「第4世代noiseless PU」が採用されていてノイズが少なく非常にクリアなサウンドになっています。またエボニー指板が張られているのもポイントで、シャープでスッキリとしたモダンなサウンドを目指して作られたのが感じられますね。
深い歪みにも十分対応できるしっかりとした出力にも関わらず、フェンダーのニュアンスも損なわない、まさに高スペックな使いやすいギターといった感じです!
ギターの細かい仕様にも「モダン」な要素が詰まっていて
- ハイフレットが弾きやすい「Dネックヒール」
- 多彩な音作りに役立つ「S-1スイッチ」
- 弦交換が簡単でチューニングが狂いにくい「ロック式ペグ」
- ネックをボディから外さなくとも調整ができる「トラスロッド・アジャストメント・ウィール」
と、ギターを使いやすくための様々な工夫が施されています。
モダンでハイスペックなギターが欲しい方におすすめです!!
フェンダーメキシコのラインナップ
【硬質でトラディショナルなサウンド】「Vintera」 シリーズ
「vintera」シリーズは名前にもあるように、フェンダーの歴史を感じられるような「ヴィンテージサウンド」を楽しめるシリーズです!
そのラインナップは「American Original」シリーズと同じ、年代に焦点が当てられていて【50’s】【60’s】【70’s】と各年代のサウンドが再現されています。
ラインナップによってそのサウンドは様々ですが、全体的に「サスティンが短く硬質なサウンド」というイメージですね。コンプレッション感が強く粒がそろったようなサウンドが特徴で、カッティングなどの歯切れの良いプレイに向いていると思います!
深く歪ませることには不向きな印象で、原音がつぶれやすく「きれいに歪ませる」ことは難しいと思います。ただ歪ませたときの粗さはまさに「ヴィンテージサウンド」といった感じで、一度その魅力にハマると癖になります。
「不器用だけど味がある」そんなギターです!!
【コスパ最強フェンダーギター】「Player」シリーズ
お次に紹介するのは「Player」シリーズです!
このプレイヤーシリーズは約7万円とフェンダーのラインナップの中でとてもリーズナブルなシリーズになります。
ですが安いからと言って侮るべからず!コストパフォーマンスで言えば、フェンダーの中で1,2を争うのではないかという完成度です!
癖のないバランスの良いサウンドでとても使いやすいギターという印象で、サウンドの傾向やコンセプトは「American Performer」シリーズと似ているかなと思います。
ジャンルを問わず汎用的に使うことができる優等生といった感じですね!
【廉価版アメリカンエリート】「Deluxe」 シリーズ
次に紹介するのは「Deluxe」シリーズです!
このデラックスシリーズ、仕様が「American Elite」とそっくりで
- ノイズレスピックアップ搭載
- ネックヒールのコンター加工
- S-1スイッチ
- ロック式ペグ
と完全にエリートと同じようなコンセプトで作られたんだなといった感じです。
サウンドは伸びのあるサスティンでしっかりとした出力のギターという印象で、ギターソロも気持ちよく弾けると思います!
ただエリートと比べると流石に見劣りするというか、使いやすさや歪みの載りなんかはエリートに軍配が上がりますね。
伸びやかなギターが弾きたい人におすすめです!
フェンダージャパンのラインナップ
【荒々しいヴィンテージサウンド】「Traditional」 シリーズ
フェンダージャパン最初の一本は「Traditional」シリーズです!
ここまでヴィンテージサウンドに重きのおかれたシリーズを2つ紹介してきましたが(American OriginalとVintera)、このトラディショナルシリーズはそれらと少し毛色が違い、高出力の暴れるようなサウンドが特徴です。
そのサウンドは、クリーンよりも少し音を歪ませたときにその真価を発揮するギターかなと思います!
荒々しい高出力なサウンドはまさにオールドロックサウンドといった感じで、ギターが主役になれるロックなポテンシャルを持っています。
存在感のあるトラディショナルなロックサウンドをお求めの方におすすめです!
【モダンとヴィンテージのハイブリッド】「Hybrid」シリーズ
2本目は「Hybrid」シリーズです!
ハイブリッドシリーズはその名の通り、ヴィンテージなルックスにモダンな仕様のまさに「ハイブリッド」なシリーズになっています。
サウンドはピッキングニュアンスを存分に表現できる王道のフェンダーサウンドといった感じで、音のバランスもよくいろんな役割として活躍できそうなギターですね。
ピックアップが「American Professional」と同じUS製のヴィンテージPUが採用されているのも大きな魅力で、日本の精巧な作りにパワー感のあるUSピックアップと、ここも良いとこ取りの「ハイブリッド」といった感じですね。
コスパの良い使いやすいギターが欲しい方は要チェックです!
【現代音楽にフィットした異端児】「Modern」 シリーズ
最後に紹介するのがこの「Modern」シリーズになります!
このモダンシリーズは他のシリーズ(US、メキシコも含め)とは一線を画しているシリーズと言ってもいいかもしれません。フェンダーっぽくないというのが率直な感想ですね。
コンセプトは、その見た目からも分かるように「ラウド、メタルなどに使うハイゲインギター」といった感じですね。
今までのフェンダーにはない試みですよね(笑)
歪みが載りやすい分、クリーンサウンドはどこかのっぺりしている印象で、クリーン~クランチサウンドに重きを置いてきたフェンダーからは考えられないほど歪み重視に設計されたギターです。
「フェンダーのハイゲインギター」気になる人は要チェックですね!
最後に
長く解説してきましたが(笑)、いかがでしたか??
フェンダーのラインナップの概要が分かったのではないでしょうか?
あなたに合ったフェンダーギターが見つかったのなら幸いです!
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