フェンダーAmerican Professionalとはどんなシリーズ?
現代音楽でも使いやすいヴィンテージサウンド
今回紹介する「American Professional」シリーズを一言でいうならば、 「モダンとヴィンテージが調和されたギター」 です!
フェンダーギターに限らず、ヴィンテージギターは「味のあるサウンド」であるというメリットがあるものの、「使いやすさ」「汎用性」に関しては、新しいスペックのギターと比べて劣ります。ジャンルや使い方を選ぶんですね。
「American Professional」はヴィンテージギターの「味のあるサウンド」を、モダンギターのように「使いやすく」セッティングされたギターです。フェンダーの伝統的なサウンドを現代音楽に落とし込む、次世代の定番となっていくシリーズです!
「American Standard」の後継機
元々フェンダーには「世界の標準」とされるシリーズが存在しました。
「American Standard」通称「アメスタ」は従来のフェンダーギターのトラディショナルなサウンドを、現代でもバリバリ使えるギターに昇華した初めてのシリーズと言えます。
1986年に登場したアメスタは、その後30年もの長い間第一線で活躍し、様々な著名なギタリストにも愛用された、いわば「30年間の標準」を作ったフェンダーの人気シリーズでした。
そして「American Professional」は、2017年に惜しまれながらもその幕を閉じた「アメスタ」の後継機なんです。
似たようなコンセプトを背負った「American Professional」が今後のギターサウンドの標準になっていくのかもしれませんね!時代が移ろう中、ギタリストたちにどのように使われていくのか楽しみです!
「American Standard」からの変更点
V-Modピックアップ
アメスタでは「Custom Shop Fat ’50s Single-Coil」が使用されていましたが、アメプロではオリジナルのピックアップである「V-Modピックアップ」が搭載されています。
「Vintage」と「Modern」で「V-mod」というネーミングですね。
理想的なボイシングに調整するために「アルニコⅡ」「アルニコⅢ」「アルニコⅤ」を複合して作られたピックアップです。
またハムバッカーには「Shawbucker」と呼ばれる、これまたオリジナルのピックアップが載っています。
ウォームなヴィンテージサウンドが特徴です!
トレブルブリードサーキット
「トレブルブリードサーキット」とは、ボリュームを下げてもトレブルを損なわない機能のことです。
使えるボリュームのレンジが広がったことで、更に音作りを自由に行うことができます。
サウンドの膨らみ、厚みを調整できるありがたい機能ですね!
モダン・ディープCネック
アメスタでは「モダンC」シェイプのネックでしたが、アメプロでは「モダン・ディープC」シェイプのネックに変更されています。
モダンCシェイプに比べて厚みが増しているのが特徴です。
「ネックの握りやすさ」と「ヴィンテージ感のあるウォームなサウンド」の両立を目指したのが感じられますね。
ナロートール
フレットは「ジャンボミディアム」から「ナロートール」に変更されています。
「幅」が狭まり、「高さ」が上がった、ということです。
基本的に幅が狭いと「押さえずらい代わりにサスティーンが稼げる」、高さがあると「スライドはやりにくいけど、押さえやすい」という特徴があります。
ここでも「両取り」ですね(笑)
American Professionalのラインナップ、サウンドの特徴
ストラトキャスター
「American Professional」のストラトはとにかくクリーンが綺麗です。
フェンダー特有のハリがある、粒立ちの良いクリーンサウンドで、和音(コード)がホントにきれいに鳴ってくれます。
低音が膨らみすぎないタイトなサウンドで、フェンダーギターの「バネ感」を感じられる一本です!
また歪ませていくと、クリーンサウンドを継続変化させたような自然なドライブ感を得ることができます。(もちろん歪み側にもよりますが)
逆に言えば、「自然なドライブ感」が魅力であるので、ディストーションなどの深い歪みにはあまり向かないかもしれませんね。
またHSS、HHと、ハムバッカーが搭載されているラインナップもあり、自分のやりたい音楽によって適したタイプを選ぶことができます。「Showbucker」と呼ばれるピックアップが使われており、「ヴィンテージ感のあるウォームなサウンド」が特徴です!
カラーバリエーション、指板材(メイプル、ローズウッド)の選択により、すべてのラインナップをご紹介するには多すぎますので、【SSS】【HSS】【HH】から3本ずつのご紹介になります。
※他のラインナップは下記ショッピングサイトや、公式サイトからお確かめください!
3-Color Sunburst【SSS】
Natural【SSS】
Black【SSS】
3-Color Sunburst【HSS】
Sienna Sunburst【HSS】
Antique Olive【HSS】
3-Color Sunburst【HH】
Olympic White【HH】
Sonic Gray【HH】
テレキャスター
次は「テレキャスター」ですね!
まず話しておきたいのがブリッジに「3wayのバレルサドル」が採用されているということです。アメスタでは6wayのサドルが使用されていましたが、この変更でよりヴィンテージなルックスを残す形になりました。
3wayはオクターブチューニングが定まらないという欠点があるのですが、これは弦ごとに溝が切られていることで、調整がされています。
サウンドは、テレキャスターの特徴である「粒立ちの良いタイトなサウンド」を十分に楽しめるギターといった感じです!
またタイトなサウンドでありながら、倍音が豊かであったり低音は程よく広がりがあり、フレーズに厚みと説得力を与えていますね。
歪みに関してはストラトと同じで、歪ませすぎると味がなくなってしまうので、クランチ~オーバードライブ辺りでの音作りがおすすめです!
Butterscotch Blonde【メイプル】
Black【メイプル】
Candy Apple Red【メイプル】
3-Color Sunburst【ローズウッド】
Olympic White【ローズウッド】
Sonic Gray【ローズウッド】
テレキャスターデラックス
お次は「テレキャスターデラックス」です!
簡単に言えば「ハムバッカーの乗ったテレキャス」ですね。
アメプロのテレキャスターデラックスは本当に歪みの乗りが良いです!
上で紹介したストラトとテレキャスは、ニュアンスを残したサウンドメイクを強く推奨しますが、このテレキャスターデラックスはガンガン歪ませても気持ちよくドライブしてくれるタイプですね。(さすがに深いディストーションサウンドはおすすめしませんが)
そんなドライブサウンドが得意なテレデラですが、レスポールなどの一般的なハムバッカーのギターと比べ「タイトなパワーサウンド」であることが大きな特徴です。
低音が膨らみすぎず、硬い質感を持ったサウンドは、ハムバッカー特有の「温かみのあるサウンド」ではなく、「タイトでキレのあるパワーサウンド」という唯一無二の特徴を持ちます。
「カッティングフレーズを多用したギターソロ」なんかに最適なギターです!
3-Color Sunburst
Black
Candy Apple Red
Natural
Sonic Gray
ジャズマスター
次は「ジャズマスター」です!
ジャズマスターは一般的に
- 骨太なサウンド
- 前に出る中低音域
- 荒々しいサウンド
が特徴ですが、アメリカンプロフェッショナルのジャズマスターも、この要素が色濃く反映されており、特に高音域の無骨さはこのジャズマスターのサウンドキャラクターといった感じです。
一方「現代音楽でも使いやすい」というアメプロのコンセプトが反映されているのも、このジャズマスターの大きな魅力です。
サウンドが特徴的なことから、扱いが難しいと言われることも多いジャズマスターですが、適度なコンプ感が加わることで、その荒々しいサウンドにバランスの良さを与え、まさに「使いやすい」ギターに仕上がっている印象です。
伝統的なサウンドキャラクターを「使いやすく」した、「これぞアメプロ」というジャズマスですね!
3-Color Sunburst
Candy Apple Red
Mystic Seafoam
Olympic White
Sonic Gray
ジャガー
最後は「ジャガー」ですね!
アメプロのジャガーは、割とジャズマスターとサウンドが似ている印象です。
ジャズマスターの粗い部分を削って丸くしたようなイメージで、一般的なジャガーよりも高出力で、コンプ感が少ないです。ヴィンテージ色の強いジャガーといった感じですね!
サスティンが短いので、バッキングを多用するギタリストや、フロントマンが持つギターとして活躍しそうです!
3-Color Sunburst
Antique Olive
Candy Apple Red
Olympic White
Sonic Gray
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