フェンダー「American Original」シリーズとは?
「Vintage」から「Original」へ
2018年、長年に渡りギタリストにとって憧れだったフェンダーの人気シリーズ「American Vintage」から切り替わる形で登場したのがこの「American Original」シリーズです!
フェンダーの伝統的なサウンドを継承しつつ、ギタリストのプレイアビリティを促進させるような新しい仕様が追加されることで「使いやすく」なったこのアメリカンオリジナルは、新たなフェンダーヴィンテージギターの定番になっていくでしょう。
「年代」に焦点があてられたシリーズ
「American Vintage」シリーズは、 【’56】【’59】【’65】と「特定の年」のサウンドを再現しようというシリーズでした。
それに対して「American Original」シリーズは「特定の年代」に焦点が当てられています。
【50’s】【60’s】【70’s】と各年代の特徴を一本のギターに集約させることでその特徴を分かりやすくし、そして現代音楽にも対応していけるようなシリーズに向けて再出発したという感じですね!
「American Vintage」からの変更点
ここからは「American Original」シリーズが「American Vintage」シリーズからどのような改変が施されたのか見ていきたいと思います!
ピックアップセレクトが5点に
これはストラトのお話になりますが、
「American Vintage」では3点だったPUセレクトが「American Original」では5点になり、ミックスポジションの演奏も可能になりました!
音作りの幅が広がる嬉しい変更点ですね!特にフロント+センターのミックスポジションは使いたい方も多いのでは?
トラディショナルなフェンダーを現代に昇華していこうという意図が感じられます!
指板のRが緩やかに
7.25インチだった指板のRは9.5インチに変更され、より平らな指板になりました!
ハイポジションのチョーキングでも音詰まりが起こることなく、安心して演奏することができます!
スラブ貼りからラウンド貼りに
ローズウッドにおける、ネックと指板の貼り方にも変更がありました!
厚い指板を平面で張り合わせる往年の「スラブ貼り」から、現在の主流である比較的薄い指板を曲面で貼り合わせる「ラウンド貼り」になっています。
より太い音が強調される「スラブ貼り」に比べ、「ラウンド貼り」はバランスの良い音になるのが特徴です!
剥がれにくいラッカー塗装
ヴィンテージギターと言えば「ラッカー塗装」ですよね!
現在一般的なギターに使用される「ポリウレタン塗装」と比べ、「薄い」「光沢が少ない」「ボディの鳴りが良い」という特徴を持ちます。
その薄い塗装から従来のラッカー塗装は剥がれやすく「American Vintage」もその例外ではありませんでしたが、「American Original」では丁寧な下処理によって、剥がれにくいラッカー塗装が実現しています!
「レリック」と呼ばれる「剥がれ感」を好む方も多いので、これは好みが分かれそうですが、綺麗なギターを保ちたい方には嬉しい変更点ですね!
American Original のラインナップ
ストラトキャスター
「American Original」のストラトキャスターは、【50’s】【60’s】の2つのラインナップがあります!
【50’s】は現在のフェンダートーンにも生きている、特有のハリのある「バネの鳴り」が強く感じられるギターといったイメージですね。トレモロユニットによる瞬発力のあるピッキングニュアンスを楽しむことができます!
【60’s】はどこかノスタルジアを覚えるような、太くてスモーキーなサウンドが特徴です。
ヴィンテージPU、太いネック、ラッカー塗装からなるその「太い鳴り」は、まさにロック全盛期を支えたサウンドといった感じで、クランチ~オーバードライブサウンドにピッタリです!
当時のロックから、ブルージーなプレイ、またオルタナ系のロックサウンドにも合うんじゃないかなと思います!
2-Color Sunburst【50’s】
3-Color Sunburst【60’s】
Aztec Gold【50’s】
Candy Apple Red【60’s】
White Blonde【50’s】
Olympic White【60’s】
テレキャスター
- 価格:25万円ほど
- 【50’s】アッシュボディによる硬質でタイトなサウンド
- 【60’s】現代音楽で使えるサウンドのバランス感
2本目は「テレキャスター」ですね!
テレキャスターもストラトと同じく、【50’s】【60’s】の2種類のラインナップがあります。
【50’s】と【60’s】の大きな違いは、ボディ材です。
【50’s】では硬くて重い木材で知られる「アッシュ材」
【60’s】では現行のギターで最も多く使われている「アルダー材」が使用されています。
「アッシュ材」はその性質上、音があまり広がらず粒立ちの良いタイトなサウンドを鳴らしますが、【50’s】にはこの特徴が如実に現れています。その硬質なサウンドは、カントリーなどの音数の多いプレイにピッタリです!
「アルダー材」は最も流通しているボディ材だけあって「バランスの良いサウンド」を鳴らす万能型といった感じですね。
【60’s】ではテレキャスター独特の歯切れの良さに加え、低音に広がりも感じることができます!
現代音楽にも対応できるヴィンテージテレキャスターです!
3-Color Sunburst【60’s】
Butterscotch Blonde【50’s】
Fiesta Red【60’s】
Lake Placid Blue【60’s】
ジャズマスター
- 価格:25万ほど
- 【60’s】の1種だけ
- 太くて荒々しいジャズマスらしいサウンド
3本目は「ジャズマスター」です!
ジャズマスターのラインナップは、ストラト・テレキャスと違い【60’s】の一種です。
オリジナルのジャズマスは「THEジャズマスター」という、太くて荒々しいサウンドが特徴ですね。
広がりのある低音域に、弦をはじいた音をそのまま出力したような無骨な高音域。お世辞にも「使いやすいギター」とは言えませんが、この「粗さ」がギターサウンドのキャラクターとしてアンサンブルに「色」を与えてくれます。
オルタナ系ロックバンド、サーフ系バンドはもちろん、「中低音域がガツンとくる特徴的なサウンド」は、ギターが主役になるバンドで幅広く活躍してくれると思います!
3-Color Sunburst
Ocean Turquoise
Olympic White
ジャガー
- 価格:25万円ほど
- 【60’s】の一種
- コンプ感のあるまとまりのあるサウンド
- アンサンブルの中で使いやすい役割のはっきりしたギター
最後は「ジャガー」です!
「American Original」のジャガーのラインナップは、ジャズマスターと同様【60’s】の一種です。
ジャガーは一見ジャズマスターと見た目が似ていますが、そのサウンドは真反対と言ってもいいですね。
ジャズマスターは弦をはじいた音をそのまま出力しているような広がりのあるサウンドですが、ジャガーは逆に、「コンプ感の強いまとまりのあるサウンド」といった感じです。
「ギターが主役になる」というよりは、「役割のはっきりしたギター」といった感じで、特定の音域に狙ったサウンドメイクが得意なギターですね。
アンサンブルの中で違和感なく馴染む、使いやすいギターです!
3-Color Sunburst
Candy Apple Red
Surf Green
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